日々、人間関係や美に対する悩みは尽きません。悩んでる時は、気分も沈み、感情のコントロールが効かなかったり。そんな状況を対処するための処方箋となる1冊に出会いました。その本は、『「美人」の条件』。星占いで人気の石井ゆかりさんのエッセイ本です。個人的に刺さった言葉や、読んだことで得られたことについてレビューしていきたいと思います。ではスタート。
『「美人」の条件/石井ゆかり』とは
雑誌「フィガロジャポン」や様々な雑誌に連載をもつ星占いやエッセイで人気の石井ゆかりさんによる、「美」とは何かについて綴られたエッセイ。2016年出版の本です。
美人になるためのHow To本ではナイ
本の内容は、ファッションや美容関係のメディアに掲載されていた各エッセイをまとめ上げた3部構成。この本のタイトル「美人の条件」というのは、3つ目のエッセイのもの。
『「美人の条件」ってなに?』
と、素直に本のタイトルから答えを求めても、具体的な回答はのっていません。そして「美人になるため方法」のようなHow To本でもありません。
この本を選んだ理由
石井ゆかりさんを初めて知ったのは、会社員時代。違う部署にいた、周りとは違う雰囲気を醸し出した知的なお姉さまから石井ゆかりさんの「星読み」を教えてもらったのがキッカケでした。
お姉さん的存在が、まさか星占いを信じてるなんて!という意外性。教えてもらってからは、つど「星読み」をチェックし、1週間を生きるための言葉を頂いてました。
そんな会社員時代から何年も経て、最近また石井ゆかりさんの言葉が気になって調べていたら、星占いだけでなくエッセイ本があることを知りました。特に目を引くタイトルが『「美人」の条件』でした。
石井ゆかりさんの本ということで、「美人の条件は○○だ!」という内容だとは想像してませんでしたが、何か美人になるための教えがあるのではないか?と読み進めていくと響く言葉がたくさんありました。
『「美人」の条件』響いた言葉リスト
自分以外のものになる
私たちが「自分以外のものになろう」と志すと、「自分」は無視されてしまう。無視された「自分」は、密かに様々な反応を示す。ひどいときには不思議な依存症や、人間関係の不具合や、孤独や浪費など、あらゆる不都合が起こるのだが、自分では「なんでそうなったか」がどうしてもわからない。そんな悲しいスパイラルに落ち込まず、不安定さを抱えながらも、どうにかして私たちは私たち自身と、なんとかうまくやっていけないだろうか?
p.16『「美人」の条件』
悩みの原因ってこういうことだ!と上手くまとめあげられた文。まさに、「自分以外になろう」として、本当の「自分の望むこと・好きなこと」が見えなくなって自分軸が揺らぎ悩んでしまう。その状況をうまく言語化してくれた!すっきり。
甘える
次は、「甘える」ということについての一文
本当の意味で「甘える」とは、相手の好意を率直に受け止める、ということで、それは「愛される」ことに重なる。なのに「愛されたい」と口にする人の多くが、なぜか、「甘えない」と、他者の好意を拒否したり拒絶したりしている。あるいはたった一つの好意に自分の全重量をかけることだけを願い、それ以外の小さな好意や愛を無視する傾向がある。
p.25『「美人」の条件』
これも、なんとなく思っていたことを気持ちよくまとめ上げられていた。「愛されたい!」という人に限って、人からの愛を拒んではいないか?と友人をみて思うことがあったし、自分でもそうなってないか?と思うことがある。
魅力
次は、「魅力」についての一文。
魅力とは「簡単にはわからせない力」なのだ。であれば「私のこと全部わかってほしい」と思ってしまったら、その瞬間に魅力は少し、薄まってしまうのかもしれない。「いったい、お前に私の何がわかる!」くらいの反骨精神があれば、そこには既に、一つの魅力が生まれている、はずである。たぶん。
p.37『「美人」の条件』
魅力ある人にはなりたい。とは思う。でも、その「魅力」を作るには「相手に理解されるためにエネルギーを注ぐより、まずは、自分を信じることを強化しよ!」(それが自分の魅力につながるハズ)。というふうに受け取った。
どろぬま
次は、「どろぬまの恋」というキーワードについての一文。
どろぬまの恋をしている人はたいてい、「相手が思い通りになってくれない」と感じているが、実は、思い通りになっていないのは、自分自身のほうなのである。
p.56『「美人」の条件』
これは、恋愛だけでなく人付き合いの上でも、当てはまる。自分の経験上、相手に求めるより自分自身を変える方が楽かも。と悟ったところがあった。で沁みた一文。
次は、若い学生グループが同じようなファッションをしている中、自分で作った帽子や鮮やかなファッションをしているお婆さんを目撃した時の一文。
人から好かれること、愛されること、選ばれること。そのことが私たちを支配した途端、好きな色のことも、カワイイと思えるものも、何が何だかわからなくなってしまうのかもしれない。
p.127『「美人」の条件』
服装を選ぶ時、「この方が好印象かな。」「これが流行りだし。」という世の中の空気感を敏感に感じつつ、服選びした自分と重ねて少し切なくなった。けれど、年齢を重ねていくごとに自分の望む、本当に好きなものを着て人生を謳歌してきたいな。と今後の人生のファッションとの付き合い方について考えさせてくれた。
美について
そして、「美について」かんがえさせられた言葉。
「明朗な心と、清新な感覚と、素直な清らかな情熱を老年まで保っている婦人は、たいていは若く見えるものだ。ついでに言うが、これらすべてのものを保つことが、おばあさんになってからも自分の美しさを失わないたった一つの方法である。」
p.184『「美人」の条件』
これは、ドストエフスキー『罪と罰』からの引用。
そしてお次は、
たぶん、美は一つの運動なのだ。(省略)段差があるから、水が流れる。私たちはその水の流れを「いきいきとして美しと感じる。段差がなくなると、水は流れを止める。流れなくなった水はよどみ、もやは美しいとは感じられなくなる。
p.201『「美人」の条件』
漠然ですが、自分なりに「美」とは何かと考えたら、
「固まった」状態ではなく、「動いている」状態のイメージがフィットします。
人に置き換えて考えると、「常に新しいことに恐れず、過去に執着せず、いいと思うことや、変化に柔軟に対応できる軽やさ」の状態は美しいなと感じます。
見た目だけでない内面性についての「美人」ってどんなの?やんわり思っていたことが、より具体的に理解できた気がしました。
そして、最後に刺さった言葉。
目を鍛えること。勇気。集団から離れる孤独。これらは、「美」という言葉が持っているイメージからは、かなり遠くにあるようにも思われる。意志を持ち、自立していて、勇ましくあることは、美の本質というよりは、美を生み出す上での前提条件のようなものだろう。
p.207『「美人」の条件』
孤独を受け入れて、自分自身の信じたことを選び取って生きていこう。そんな生き方をしていこう。と背中を押してくれる言葉として、解釈し、故に個人的にはとても刺さりました。
この本を読んで得られたこと
石井ゆかりさんが綴ることばをもらうことで、「自分のぐらつく芯(自分軸)を補強し、生きていくぞ!」という強さを得られました。その強さが自信につながり、外見にもたちあらわれ、それが自分の「美」につながるのでは(やった!)とも思えて、今後の人生もポジティブに楽しんでいこうという気持ちになって読後はなんだか爽快感がありました。
まとめ
以上、『「美人」の条件/石井ゆかり』についての自分なりに刺さった一文や得られたことについてレビューしてみました。実はこの本、手元に置いておきたくなるような表紙もかわいい一冊なんです。
本棚にひっそり置いて、たまに読み返したくなる本『「美人」の条件/石井ゆかり』。ぜひ気になった方は手に取ってみてください。
エッセイだけでなく、星占いの本も素敵ですよ。コチラは、「3年の星占い」
各星座別ごとに出版されており、3年分(2024-2026)の星占いを読むことができます。そして、
お次は、「星栞 2024年の星占い」。こちらも各星座ごとに出版されています。2024年度の星占いが1冊に。常に手にとって読み返したくなる可愛い本。
石井ゆかりさんの言葉を得て、ポジティブにより良い「自分の人生」を歩んでいきたいものですね。
最後まで目を通してくださりありがとうございました。
▽最後に…